Windows 10でBluetoothイヤフォンの音質が悪い時はサウンド出力先を確認!

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画像:Amazon

『Windows 10 Bluetoothイヤフォン 音質』のキーワードで検索を行なってみると、Windows系のパソコンとBluetoothイヤフォンをペアリングしたときに音質が酷く悪い、ということをテーマにした記事がいくつも見つかります。

最近は音楽用のBluetoothイヤフォン市場が盛り上がりを見せていて、こういった製品の多くはスマートフォンと組み合わせて利用できるマイクを備えています。これをパソコンにも流用して、最近、新型コロナウィルスの影響によるリモートワークでのニーズが高まっているビデオ会議で活用するケースも増えているのでしょう。

そのような音質の低下への対応策として真っ先に挙げられているのが「ハンズフリーデバイスの無効化」です。

はたしてこちらの対策はWindows 10でも必要な手順なのでしょうか?

そこにちょっと疑問を感じて手元の機材にBluetoothアダプタを追加して実験を行なってみました。

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Windows 10ではハンズフリーデバイスの無効化は不要

まず最初に結論から書いてしまいましょう。

Windows 10ではBluetoothイヤフォンをペアリングしたときに追加されるハンズフリーデバイスを無効化する必要はありません。

音楽やネット動画、ゲームの音をいい音質で楽しみたいときには、サウンド設定の中の再生デバイスからBluetoothイヤフォンの「ヘッドフォン」のデバイスの方を選択しておくだけでOKです。

「ヘッドセット」のほうはWindows 7などでのハンズフリーデバイスに相当する音声の出力先です。

こちらをチョイスしてしまうと本当に酷い音が出ますので、そこはちょっと注意しておきましょう。

トライしてみた内容の詳細

今回はデスクトップパソコンに後付けでtp-linkのBluetoothアダプタを追加。

ソニー製で音楽用「完全ワイヤレスイヤフォン」のWF-XB700をペアリングして実験してみました。

Bluetoothアダプタの方は最近のデバイスらしくプラグ・アンド・プレイで認識されてドライバの導入も一発。簡単に利用可能になりました。

パソコンとイヤフォンのペアリング操作を行なうと、デバイスマネージャーの表示上はこんな感じでイヤフォンが認識されるようになります。

「WF-XB700 Stereo」と「WF-XB700 Hands-Free AG Audio」という二つのサウンドデバイスが出来上がるのです。

この二つがサウンドの出力先としても別々に認識されて、以下のように独立して選択可能な音の出力先になります。

少なくとも今回のトライではペアリング直後の状態だと、音の出力先としてはデフォルトでヘッドホン(=WF-XB700 Stereo)側がチョイスされました。

恐らく音楽用のヘッドフォンをペアリングすれば同様の結果になるでしょう。追加するBluetoothデバイスが通話用のヘッドセットだったりすると結果が違う可能性はありそうです。

と言う訳で、音楽用のマイク付きヘッドフォンを追加するときにWindows 10ならば、特に何か追加の特別な操作は不要です。ただサウンドの出力先だけには気をつけておきましょう。

もしBluetoothイヤフォンで音を聴いていて音質が酷く悪いと感じたら、サウンドの出力先を確認しましょう。

WASAPI排他による、より高音質の再生もOK

Windows系の音声周辺の技術は高音質再生、と言う観点から見ると若干面倒で複雑な仕組みになっています。

標準の再生の経路だと、たくさんの音が重なって再生されたときに異常にボリュームが大きくなってしまってスピーカーなどを傷めないよう、Windows側がボリュームの抑制を行なう処理がはさまっています。

ここの処理がオーディオ観点での音質的には褒められたものではないようで、Windowsで音を再生する際のアキレス腱になっています。このためその悪影響を回避する目的で本気で音楽再生を行なうための仕組みが別に用意されています。

この辺りが音の再生回りをちょっと面倒にしている原因はあるのですが。

その代わりと言ってはなんですが、対応しているソフトならば既定のサウンドデバイス以外からも自由に音を出すことが出来ます。Skypeのビデオ通話などもこの辺りに対応しています。

PCに接続したスピーカーからBGMを流しつつ、Bluetoothヘッドセット経由でビデオ通話を行う、と言ったことが普通に行えるようになっています。(ビデオ通話の音はヘッドセット側から聞く)

また音楽再生アプリでは特定のサウンドデバイスを占有して音を出力することが出来ます。これによってWindows側の音量調節の仕組みをバイパス出来ますので、音質が向上することが期待できます。

ちなみにこの仕組みはBluetoothイヤフォンでも利用できます。

これに対応しているソニー製の音楽再生アプリMusic Center for PCから「WASAPI」という仕組み経由でWF-XB700を占有して音楽再生が出来ました。

SSを見て分るとおりWASAPI「排他」ですので、この音楽再生ソフトが動いている間は他のアプリ、Windows本体からも占有したサウンドデバイスを使うことは出来なくなります。

また、より高音質で再生が行ないたいとき、Bluetoothイヤフォン側が対応していればWindows 10では「ハイレゾ級」コーデックのaptX HDも利用できます。

ちなみに今回の機材の組み合わせではBluetoothデフォルトの音声コーデックのSBCしか使えませんが、今のBluetooth機材だとSBCでも音質は決して悪くはありません。

ハンズフリーデバイスで音が悪いのはある意味当たり前だった

ちなみにハンズフリーデバイスのプロパティを確認してみると音質の低さの原因も分りました。

音のデータをデジタルで伝送するときのA/D変換の「サンプリングレート」が低く、元々、音の情報量がすごく少なかったのです。

しかもモノラルで音のクオリティの変更も出来ません。

これではまともな音が出る訳がありませんね。

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