Windows 11プレビュー版を使ってみた!手元のマシンで簡易チェック

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先日のマイクロソフトのイベントでWindows 11が発表されました。

その中で今週からインサイダープログラム参加者のうち、Dev版を導入しているユーザー向けにWindows 11プレビュー版が配信されることも公表されていました。

この宣言通り、6月29日朝にはWindows 11プレビュー版が利用可能になっていた模様です。早速、著者手元のマシンにも導入してあちこち簡単にチェックしてみました。

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ずっとDev版を利用してきたユーザーは条件が微妙に違う

今回、配信が開始されたWindows 11のプレビュー版はDev版扱いです。Beta版の方はもう少し待たないと新しいWindowsの姿に触れることは出来ません。

そして今回のリリースの条件がちょっと独特で、これまでずっとWindows 10のプレビュー版Dev版を利用してきたユーザーのみ導入の際の前提条件が緩められています。Windows 11の必要ハードウェアスペックに満たないマシンでもWindows 11のお試しが出来るのです。

これに対しこれからDev版を試してみるユーザーには現在マクロソフトがWindows 11製品版の必要仕様として規定しているスペックが厳密に適用され、これを満たしたマシンでなければプレビュー版導入が出来ないようです。

現時点のマイクロソフト側の要求仕様が厳密に適用された場合、UEFIのセキュアブート、TPM2.0対応に加え、CPUにはそれなりに新しいものが必要になるはずです。

このボーダーラインもどうやら少し変化しそうですが、現時点ではインテルの第7世代のCoreプロセッサ以降、AMDでは初代Ryzen以降が必須になります。

以前からDev版を使ってきたユーザーには条件が緩和されているのは、テスターの検証結果を使ってより現実的なハードウェアの必要スペックを作るのが目的ではないかと思います。

Windows 11正式リリースまでにはユーザーのテストの結果を受け、さらに必要ハードウェアスペックに調整が入る可能性がありそうです。

見た目はガラッと変わったけどWindowsはWindows

やはり最初に起動してサインインしてみた直後、ど真ん中にポップするスタートメニューにはかなりのインパクトがありました。

ただ少し触ってみるとほとんどの人が分ると思いますが、ルックスが大幅に変わっていてもやっぱりこれはWindowsです。

Windows 10からあれこれ変わる操作に最初はちょっと戸惑うでしょうけれど、実際に毎日多用する機能部分の操作感にそんな違いはありません。ほとんどの人はすぐに慣れられると思います。

事前にリークされたISOイメージを使ってインストールしたWindows 11プレビュー版(?)の印象をMacOSに似ていると表現するメディアがありましたが、著者個人が簡単に触れてみた感触はどちらかといえばAndroidOSの使い勝手を取り込んだ印象の方が強かったですね。

スタートメニューのメイン画面にピン留めされたアプリの一覧と全アプリ表示を切り替えつつ使う雰囲気とか、ウィジェット表示とGoogleアプリのニュースヘッドライン表示の雰囲気とか。

ただ、この辺りはユーザーそれぞれ、使い込んでいる他の機器との兼ね合いによって印象は全然違うと思います。

さて概観のファーストインプレはこれぐらいにして、もう少し詳しく新要素の雰囲気を掘り下げてみましょうか。

スタートメニュー

見た目の方は中央にポップすることもあり、雰囲気が劇的に変わった感じもするスタートメニューです。

Windows 10のタイル部分はなくなり、基本開いた直後はスタートメニューに「ピン留め」されたアプリのアイコンだけが見えるようなインタフェースになっています。

Windows 7などから続く「プログラムの一覧表示」を引っ張り出すにはワンクッションはさむ形になります。このためWindows 11を効率よく使うにはピン留めを積極的に行なうことが鍵の一つになりそうです。

これ、当時なんとなく気づいていた部分ですが、使い勝手に結構な不評が集まったWindows 8系でも積極的にピン留めを使えば実際の使用感ってそこまで悪くはならなかったんですよね。

Windows 11では色々なエッセンスが「リバイバル」して取り込まれている、と個人的には感じました。

激変した設定アプリ

現時点のWindows 11で最も大きく変わったと言えるのが設定アプリだと思います。

レイアウトの設計コンセプト自体を完全に変更して、機能の階層構造をゼロから見直したようなリデザイン・リビルド、と言えるのではないかと思います。

結果的には最近のこういったタイプのアプリの設計方針を全面的に取り入れたリスト構造的な画面構成です。とても上手く整理されていてWindows 10の設定アプリよりも使いやすさを感じる人が増えそうです。

取り込まれている機能自体は現行の設定アプリとほとんど一緒です。

結構変わっていた(ファイル)エクスプローラー

リボン、なくなりました。
見た目上、使い勝手上もここが最大の違いと言えるでしょう。

代わりにコピーやペーストなどの基本機能のコマンドボタンがどのモードでも共通で設置されています。「…」ボタンがコンテキストメニュー的に働く形で、エクスプローラーのモードによってメニューの内容がアダプティブに変化します。

リボンに盛り込まれていた直接操作可能な機能ボタンの多くはコンテキストメニューなどに戻されたカタチと言えそうです。

デザインの各要素がモダンな雰囲気になりアイコンデザインがWindowsらしいカラフルなものになっただけで、エクスプローラーのウィンドウの雰囲気が一変していますね。全体的にとてもクリーンで今風な雰囲気になりました。

ウィジェットはガジェットの充実次第?

Windows 11の目玉機能の一つと思われるウィジェットですが、見た目や引き出し方などは使いやすそうな感触があります。

が、実際に有効な機能となるかどうかは使えるガジェットがどれだけ充実するか、それぞれのガジェットが表示するコンテンツがどれだけ良くなるかに大きく依存しそうです。

現在は無難なものしか利用できるようになっておらず、ちょっと極端な物言いをすればWindows 10ライブタイル+αぐらいの雰囲気です。

デフォルトではニュースと自宅付近の天気情報が出ますが、その内容自体はつい先日Windows 10のタスクバーに追加されたニュースヘッドラインのウィンドをポップさせるボタンのものとほぼ同一です。

これを見るとあのニュースヘッドラインを表示する機能自体、実はこちらのガジェットのためのものだったのかもしれません。

新ウィンドウスナップは「FancyZones」だ

Windows 11ではウィンドウ最適化ボタンに新しいUIが追加されています。ウィンドウを配置用テンプレートに従ってキチッと整列できる機能が使えるようになっています。

その機能を使う時点で開いているアプリのウィンドウを、チョイスしたテンプレートにハマるようにウィンドウを再配置してくれます。

この機能、ウィンドウ配置のカスタマイズは効かないものの、機能のイメージはPowerToysのFancyZonesのエッセンスを上手に取り込んだものだと感じました。

現時点では使えるレイアウトパターンが少なめ&分割パターンが粗めですので、4Kの大型ディスプレイなどの高解像度環境では若干勿体ない感じを残すかもしれません。

レイアウトが大胆に変わったストア

マイクロソフトストアのアプリは画面レイアウトが大胆に変わりました。
スッキリ見やすくなった感じです。

また検索結果をジャンルごとに分類表示できるボタンが追加になっていて、検索は使いやすくなっています。

Windows 11ではAndroidアプリ(厳密にはFireOSアプリ?)の実行が可能になるのが目玉の一つですが、ストアではAmazonのアプリストア収録アプリの導入も横断的に行えるようになります。

ですがこちらのAmazonアプリの検索と導入、現時点ではまだ動作していない模様です。ちょっと試してみた検索には引っかかりませんでした。

通知領域も一新

通知領域のデザインも大きく変わりました。

スケジュールの簡易表示が可能なカレンダーと別ウィンドウで一緒に開くのですが、通知のみに機能が限定されていてWindows 10の通知領域にあった操作パネルは撤去されています。

シンプルで見やすくはなったでしょうか。

理解していればあの操作パネル結構便利だったのですが、活用するユーザーは多くはなかったのでしょう。

新しいけれどどこかで見た要素

Windows 11、タスクバーの真ん中に移動したスタートボタンとスタートメニューなどの新しい見た目にまずは驚くと思います。

ですが新たに盛り込まれた要素とかアイディアは、プレビュー版やPowerToysのようなソフトウェアを普段から触っているユーザーには既視感のあるものが結構出てきます。

見た目の派手な変化っぷりに引っ張られるかもしれませんが、Windows 11はやっぱり連綿と開発が続けられてきたWindowsの流れの上にあるものだと言うことを感じます。

とりえず今回のプレビュー版のビルドだと、Windows 11の基本要素の「チラ見せ」感が強いです。まあ、OS本体の基幹部分の基本操作ですから一番大切なところなのは間違いありませんけれど。

ですが、ほとんどのアプリはWindows 10からのキャリーオーバーのまま。まだWindows 11「らしさ」を感じる部分はさほど多くないかもしれません。正式リリースまでの今後の開発の行方に期待したいですね。

ただ、少なくとも著者は現時点でも十分に「使える」出来になっていると感じました。

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