ARMアーキテクチャ向け「フルセット」Windows 10登場へ

12月8日より、中国深センにてマイクロソフト主催の開発者向けイベント「WinHEC 2016」が開催されています。その初日の基調講演の中で、誰もが予想していなかった驚きの発表が行われました。

ARMアーキテクチャ向けのフル機能版のWindows 10が、2017年中に登場することがアナウンスされたのです。

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(画像:PC Watch)

さらにこのARM版Windows 10では、Win32アプリも動作する仕組みが組み込まれるとされ、実際にデモンストレーションでWin32デスクトップアプリである、Adobe社のPhotoshopが動作するシーンが公開されました。

実機によるデモはSnapdragon 821搭載機で

会場では現在のクアルコムのハイエンドSoC、Snapdragon 821を搭載した端末によるデモンストレーションも行われました。

Windows 10のデスクトップの操作が既に普通に行えるレベルになっていて、上記の通り、インテルCPUを搭載したパソコン向けのPhotoshopも動作させていたようです。

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(画像:PC Watch)

しばらく前から次のクアルコム社製のハイエンドSoCには、インテルCPUのx86命令をエミュレートする機能が組み込まれ、そのSoCを搭載したWindows 10 Mobile機でWin32アプリが動くようになるのでは?という噂も流れ始めていました。

が、その噂の予想の斜め上をいく形で実際の実装が行われる形になりました。

Win32アプリはエミュレータを介して実行

ARM版Windows 10ではWin32のデスクトップアプリが実行可能です。この実行のためにインテルCPUの32bit版の命令セット、通称x86のコードを実行できるエミュレータが搭載される模様です。

このタイプのエミュレータでは、プログラムの実行時に逐一x86向けの機械語命令をARMの機械語に翻訳しながらプログラムを実行する形になるため、作り方によってはアプリの性能が大きく低下することになります。

その代わりエミュレータの作りによっては、アプリがWindows 10側が持っているアプリサポートのための機能を呼び出すと、そのOS搭載機能の部分はARM側ネイティブのコードが動く形にも出来るかもしれません。

そういった部分の作り込み次第では、アプリの種類次第ではありますがある程度実用的な性能が出るかもしれません。

マイクロソフトは64bit版WindowsでWin32アプリを動かすための仕組み「WoW64」の実績がありますので、実はそのあたりの仕組みの作り込みには強みがあると言えるのかもしれません。

ネイティブデスクトップアプリも実行可能

以前、ARMアーキテクチャ向けのWindowsとして、WindowsRTがリリースされていました。

Windows RTではOSの機能面ではほぼインテルCPU向けのWindowsと同等の機能が実現されていましたが、サードパーティー製のデスクトップアプリが実装されることはありませんでした。

これに対して今回発表されたARM版Windows 10では、ARMアーキテクチャにネイティなコードを持つデスクトップアプリの開発も可能とされています。

Windowsのアプリ向けの様々な機能もそのままARMコード化されるはずですので、いずれはARM版のアプリも増えていく可能性が多分にありそうです。

Windows 10 Mobileはどうなる?

こうなってくると微妙な立ち位置になりそうなのはWindows 10 Mobileです。

フルセットのWindows 10を動かすには、メインメモリ4GB、ストレージが64GBほどあれば概ね問題ない動作が可能ですが、これぐらいのスペックは今のハイエンドスマートフォンが普通に備えるようになりました。

つまりクアルコムなどのARMアーキテクチャのSoCとの組み合わせで、フル機能版のWindows 10を搭載したスマートフォンも実現可能になる、ということです。

目だった動きの少なくなったWindows 10 Mobileも含め、マイクロソフトの今後の舵取りにも注目したいところです。

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