日本のスマホ市場に食い込めるか。Windows 10スマホの勝算は?

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10月14日に日本マイクロソフト主催の各社のWindows 10製品の発表会が行われました。
その会場で、Windows 10スマートフォンへ、新たに参入することを表明する会社が追加になり、日本ではまず、6社からWindows 10 Mobileを搭載したスマートフォンが発売される方向となりました。

今まで日本でのWindows Phoneのシェアは恐らくほとんどゼロ。
当のマイクロソフト自身もこれからの浸透の方向を全く読めていないようで、そういった向きのコメントはうまく回避しているようです。

ただ、やっと日本でもWindows Phoneが浸透していけそうな地盤が少しずつ固まりつつあるようです。

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やっと「使える」ガジェットになりそうな基盤が整う

少なくともビジネス用として、Windows 10 Mobileは「使えそう」な雰囲気がかなり出始めています。

まずは、Windows 10 Mobileが「Windowsそのものであること」が大きなファクターです。
Windowsが持つ、企業のITシステムとの親和性の高さ、端末の管理の統一感、セキュリティ面など、元々Windows自体が持つ資質がそのままスマートフォンにも導入されます。

また、「Continuum」機能によって、外部にディスプレイ、マウス、キーボードなどを接続してしまえば、スマートフォンがそのままデスクトップパソコンにも変身して、仕事の道具として使える可能性が広がったこともあります。

可能性から考えるならば、出張にノートパソコンを持って行く必要がなくなるかもしれない訳です。
出先でのプレゼンならば、十分にWindows Phoneだけで済ませられます。

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公式アプリストアの充実化のための基盤も確立

Windows 10ではアプリの仕組みに、ユニバーサルアプリという名称でいろいろな仕組みを一気に持ち込みました。

この枠組みをうまく使ってきちんとプログラミングすれば、同じアプリがスマホの上ではスマートフォンの作法で動作し、一般的なパソコンのデスクトップでは、デスクトップのアプリとして動作するように作り込むことが出来ます。

また、Android用のアプリを「そのまま」動かすための基盤も組み込まれています。

iOS用アプリはさすがにそのまま動かすことは出来ないようですが、ソースコードに最低限の修正を行って、マイクロソフトの開発ツールで再コンパイルを行うことで、Windows 10 Mobile用のアプリとしてリリースできる仕組みが準備されています。

Android、iOSのアプリのマーケットは既にきわめて競争が厳しい状態になっていて、新規参入などが難しい状況になりつつあります。
これに対してWindowsの公式アプリストアはまだスカスカと言ってもいいような状況で、市場自体はこれから立ち上がるといっていい状態です。
つまり、新たに参入するプレイヤーが新しいスタンダードになれる可能性がまだまだ残っています。

ここに目をつけるサードパーティーのアプリメーカーが現れる可能性が考えられます。

実は非常に軽い今までのWindows Phone

Windows Phoneは恐らくほとんど知られていないと思いますが、実はきわめて軽くサクサク動作することが特徴のOSでした。
Androidよりもずっとハードウェア要求水準が低く、低スペックの端末でも快適に動作するものだったようです。

ただ、Windows 10 MobileではOSの核から全てが生まれ変わります。
ここまでのプレビュー版では、まだ従来のバージョンほどの「サクサク感」は出せていないようですが、これから発売までの期間にさらなるチューニングが行われてくることは予想できます。

そのために今、Windows 10 Mobileを提供する対象となるスマートフォンのSoCをクアルコムのSnapdrgonに限定している、ということも予想できます。

やっと使い物になるようになったマップ機能

今までのWindows Phoneを日本で使用する上でかなり致命的とも言えるものだったのが、公式のマップアプリの出来です。
アプリと言うよりは地図データの方、サーバ側、サービス側の問題ですが、日本国内のマップ表示は全く使い物にならないレベルの表示しか行えませんでした。
これがWindows 10 Mobileでは大幅に強化されることが分かっています。

Windows 10 Mobileでも、パソコン用の公式マップアプリと同様のデータが使われます。
まだまだ、パソコン用のマップアプリも、先行する他社に比べると表示の詰めが甘い部分は残っているのですが、地図の中のランドマークの登録は非常に良く整備されていて、ルート探索の目的地設定もかなり詳細に行える環境がそろってきています。

最大のウリはWindowsそのものであること

まずはWindows 10 Mobileの正式リリースまでに、よりOSのデバッグ、チューニングが進むことが第一条件です。

十分な動作感と安定感が提供されるようになれば、Windows 10 Mobileが「Windowsそのものであること」が大きな武器となるでしょう。
個人に広がるにはまだハードルが高いかもしれませんが、少なくともビジネスユーザに向けての訴求力はかなりのものがありそうです。

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