Windowsフォン復活の一番手。mouse「MADOSMA Q501A」徹底レビュー

MADOSMAはmouse(旧社名:マウスコンピューター)が手がけるWindowsスマートフォンです。日本ではWindowsフォンは久しく新機種が発売されることもなく、ほぼ忘れられた存在となっていました。

そんな中、Windows Phone 8.1を搭載して登場したのがこの機種です。発売タイミング的にも、あらかじめWindows 10 Mobileリリースを見越しての製品開発でしょう。

実際、Windows 10 Mobileへのアップグレードが解禁されると真っ先にアップグレード対応を表明し、日本国内でWindows 10 Mobileを最初に正式利用可能としたのはこの機種でした。

今回は、この最初からWindows 10 Mobileがインストールされたモデル「MADOSMA Q501A」を入手しましたので早速レビューしてみたいと思います。

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目次

スペックおさらい

MADOSMAは5インチのHD液晶(1280 x 720ドット)を搭載したスマートフォンです。

SoC(System on Chip)にはクアルコムのSnapdragon 410が搭載されています。SoCのクラスとしてはエントリーからミドルクラスのスマートフォンに採用されるもので、特段高性能とは言えませんが、必要にして十分な性能を備えています。

CPU部は定格1.2GHz駆動のクアッドコアです。

サイズは5インチ液晶搭載の最近のスマートフォンとしては標準的なサイズで、142.8 x 70.4 x 8.4mm、重さは125gとなっています。

メインメモリは1GB、ストレージは8GBとなり、この部分はミニマムの構成と言えるかもしれません。マイクロSDXCカードにも対応し、あらかじめ16GBのSDカードが同梱されているのは親切ですね。

LTEの電波帯は、バンド1、3、19に対応、最大下り150Mbpsまでの通信速度に対応します。

カメラは、リアカメラには800万画素のセンサーを採用。フロントカメラは200万画素センサーが採用されています。

バッテリーは取り外しが可能な2300mAhのものが搭載されます。

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ただ、このため本体は防水対応ではありません。この部分のトレードオフは痛し痒し、と言ったところでしょうか。

手にしてのファーストインプレッション

今時のスマートフォンらしく、パッケージの箱はシンプルで小型のものです。

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内容物もとてもシンプル。

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充電器本体が同梱されないことには注意が必要かもしれません。ただ、一般に販売されているUSBコネクタ出力タイプの充電器が流用可能ですので、特に問題はないだろうとは思います。

箱から本体を取り出して手にした瞬間の感触は「あ、軽い」でした。バッテリーが外れた状態だったこともありますが、その後、バッテリーを装着した状態でも軽さを感じます。

本体サイズのほうは著者が現在使用中のAndroidスマホ、SonyのXperia Z5とほぼ同じです。

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そのせいもあってか、重量はXperia Z5とたかだか数十g程度の差しかないはずですが、MADOSMAの軽さが際立つのかもしれません。MADOSMAを持ったあとにXperiaを手にすると軽いずっしり感を感じます。

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これは裏側の縁部分がラウンドしていて、少し持ち上がった部分にエッジが刻んであるため、そのエッジ部分を本体の厚みと手のひらが認識しているのでしょう。とても軽快で薄く感じられる本体です。

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本体裏のカバーはプラスチックで光沢がある仕上げですが、白い色のせいか指紋は目立ちません。

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Windowsボタン、戻るボタン、検索ボタン(標準だとCortana起動用)はタッチパネルですが、液晶の表示エリア外にあります。小さなことですが、ちょっとうれしい気遣いです。

各種コネクタなどの外観

カラーは液晶側が光沢ありの黒、裏側のカバーはラメの入った光沢ありの白です。プラスチック感はあり、お値段なりの質感と言えるかもしれませんが、本体の軽さと合わせ軽快感は上手く演出できている感じです。

本体横の側面がえぐられていてそこに電源ボタン、ボリュームボタンが配され、ポケットの中などでの誤操作を防止する設計のようです。

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本体下側にリセット用の穴、上にマイクロUSBコネクタとイヤフォンジャックがあります。

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スピーカーは裏側のWindowsロゴの下の穴の部分です。

残念ながらストラップホールはありません。

電源投入から最初のサインインまで

充電などに用いるマイクロUSBコネクタは本体上側についています。
ちょっと珍しいタイプかもしれません。

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ストレートのUSBコネクタだといいのですが、L字型のコネクタの場合、ケーブルの出る方向によっては、イヤフォンを装着しようとすると、コネクタ同士が干渉する場合があります。

最初の電源投入時の初期設定の手順は、ほとんどパソコン版Windows 10そのままです。一度、Windows 10パソコンを初期設定したことがある人は、何も戸惑うことなく最初のサインインまで持って行けるでしょう。

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最初に電源を入れた状態でストレージの利用状況はこの程度です。

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その後、再起動を伴う大がかりなWindowsアップデートと、各種アプリの更新がどんどん走りました。各種アップデートの完了後で、これぐらいの利用状況になりました。

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通常の利用には特に問題はなさそうですが、アプリをあれこれインストールしたり、音楽データや動画ファイルなど、容量の大きなファイルを持ち歩くには少々心許ない残り容量かもしれません。ここは素直にマイクロSDカードで容量を確保した方が良さそうです。

マイクロSDカードは大容量を実現できるSDXCカードにも対応しますので、たくさんデータを持ち運びたい場合にも安心です。

液晶の表示

液晶は最近のスマートフォン用としては解像度低めのHD液晶ですが、それでも十分なドット密度がありますので、フォントの表示は十分にキレイです。通常の利用シーンでドットを意識することはまずないでしょう。

また色の再現の方もかなりニュートラルでキレイです。写真の閲覧なども十分に楽しめそうです。

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専用の高画質化エンジンを持つハイエンドクラスのスマートフォンに比べると若干コントラストが浅めな気もしますが、比べてみてはじめて、少し違うかな?と気づく程度のレベルでしかありません。

明るさはかなり明るく、バックライトが25%の状態でも室内では少し明る過ぎるぐらいです。自動調整に明るさ制御を任せても、少し明るめの調整になる感じです。

タッチパネルの反応

タッチパネルは十分な感度で指先の動きに良く反応してくれます。

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ただ、やはりWindows 10 Mobile自体にまだ少しだけチューンアップの余地はありそうです。PC用のWindows 10のタッチパネルよりはずっと自然な反応をしてくれますが、まだ、Android系のスマートフォンの方がより自然にな反応をするように思います。

フリック操作で強くはじくような操作をして高速スクロールさせても、カクつくこともなく非常に良いレスポンスで反応はしてくれます。そういった操作でSoCなどのパワー不足を感じることはありません。

アプリ操作の体感速度

メインメモリが1GBと少なめなことが操作感にどんな影響があるか、ちょっと心配だったのですが、そちらはほぼ杞憂だったと言っていいかもしれません。

標準搭載のアプリ、Office Mobileまで含めて、アプリ起動は非常にキビキビと動いてくれます。起動したアプリ自体の動作もいわゆる「サクサク」で、変な引っかかりを感じるところはありませんでした。

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ただ、Officeアプリで巨大な文書ファイルを開いたり、ブラウザのEdgeで大量にページを開いたりすると、メインメモリの少なさがネックになる可能性はあります。

スタート画面、ロック画面とアプリの一覧

スタート画面はこのような形で、パソコン用Windows 10のスタートメニュー(スタート画面)とほとんど同じです。ライブタイルの設定を行なうと、なかなか見栄えのする画面になります。

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ロック画面はこちら。これもパソコン用Windows 10で見慣れた絵柄です。

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プリインストールアプリの一覧はこちら。こちらも見慣れたものばかりですが、「Map Fan」と「FMラジオ」アプリがあるのがちょっと特徴的な部分でしょうか。

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ベンチマークと実際の操作感

ベンチマークとしては、GoogleのOctane 2.0を実行してみました。

これは実際には、WebブラウザのJavaScriptエンジンの性能を見るためのテストですので、ブラウザの性能が関係してくる分、スマートフォン本体の生の性能が直接見える訳ではありません。ですが実際のJavaScriptベースのWebアプリケーションの体感速度には関連性がとても高いものです。

また、ある程度はスマートフォン自体の性能の目安にもなるでしょう。

結果はトータルスコアで2850となりました。比較対象として参考程度にXperia Z5の結果を載せておきます。

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(左がMADOSMA Q501A、右がXperia Z5)

XperiaのほうはSoCがハイエンドクラスのもので性能がかなり違います。その分はしっかりと反映されたベンチマーク結果となっています。

ですが実際に色々とアプリを使ってみた感じでは、このような性能差はあまり意識する機会がありませんでした。どのアプリもごく普通にサクサク動作しますし、OS自体の反応も非常に機敏です。

メインメモリが1GBでもこの動作を実現できていると言うことは、Windows 10 Mobile自体が非常にシェイプアップされた軽いOSと言えそうです。

カメラの画質

カメラアプリはWindows 10 Mobile標準の、マイクロソフト製のものが使われています。シーン認識などの高度な機能はなく、かなりシンプルなものです。

ただ、「プロモード」を利用すると、ホワイトバランス調整や露出補正などは利用できるようになります。露出補正の画面はこんな感じです。

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カメラの機能では撮影画像の解像度を直接指定する設定がありません。設定の中から縦横比16:9を選ぶとフルHD解像度(1920 x 1080ドット)での撮影となり、4:3を選ぶと800万画素のフル解像度になります(3264 x 2448ドット)。

画質はこう言ってしまうとmouseの人たちに怒られてしまいそうですが、思いの外頑張っています。端末の価格的にカメラの部品にお金をかけるのはかなり厳しいと思われますが、あまり「携帯くさくない」写真が撮影できます。

保存時の圧縮率をもう少し下げられれば、JPEG圧縮ノイズによる画質低下も回避できそうですので、その部分はちょっと残念な箇所もあります。=> 電線の際など

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ただ、空の青さなどはかなりきれいに出てくれています。青空のグラデーションもかなり頑張っていて、ざらつきも良く抑えられています。

画角に関しては、最近のスマートフォンとしては、やや狭めでしょうか。

また、シーン認識がないこと、露出決定に関して雪の明るさに対する制御が行なわれことなども関係して、雪が画面に多くを占めるような構図では、使う側が積極的に露出補正を行なってやる必要がありそうです。この写真では、全体的に暗めの仕上がりになりました。

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明るいものが画面内にたくさんある時には「プラスの露出補正」を行なってやると、適当な明るさになりやすいです。

被写体にはかなり接近して撮影が可能です。

ピントを合わせるポイントは、画面にタッチした位置で行なってくれるのですが、ピントが本当に合っているのかが微妙にわかりにくい画面構成です。この写真では腕時計の部分にタッチしたのですが、ピントが後ろ側のキーボードに抜けてしまいました。

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この写真の状況は明るさのコントロールがとても難しいはずですが、その点ではほぼ満足の行く仕上がりになっています。腕時計の文字盤部分の、難しい色合いも上手く出してくれています。

その他気がついたところ

パソコンなどとデータをやりとりする、共有するには、基本OneDriveを使え、という思想のようです。無線LANで家庭のLANに接続していても、ホームグループに参加したり、ネットワークドライブを使ってファイルを共有するといった機能はありません。Windows 10搭載パソコンは標準でOneDriveが動いていますから、そちらとの相性は非常に良くなっています。

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ただし、MADOSMA側がネットワークに携帯回線経由で接続している場合には、OneDriveの同期でどんどんパケットを消費しますので出先での使い方には少し工夫が必要です。Windows 10にもWindows 10 Mobileにも、従量制課金ネットワークでは無駄なデータ送信を行なわないモードがありますので、こちらを活用しましょう。

MADOSMAでもGroove ミュージックアプリで、FLAC形式のハイレゾ音源がそのまま再生可能でした。ただ、恐らく再生はCD相当のクオリティにダウンコンバートしての再生になっていると思われます。

音質は外部スピーカーの方は十分な音量があるのですが、残念ながら音楽鑑賞にはあまりお勧めできない音質です。ただ、イヤフォンで聴く場合にはかなり頑張ってくれています。少し「ドンシャリ」傾向の音に聞こえましたが、ステレオ感や音の定位はかなり良好で、クリアな音楽再生を行なってくれます。

まとめ

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今のところWindows 10 MobileはOS自体の機能もきわめてシンプルで、実は使う際の敷居がかなり低い製品となっています。

悪く言えば凝ったことが出来ない、ということにもなりますが、この割り切って機能をシンプルにまとめたところが、OS自体の軽さや、少ないメモリでもスムーズに動作することを可能にしたのかもしれません。また面倒な設定も少なく、誰でもすぐに利用開始できるのもメリットと言えそうです。

設定を呼び出す際のアクションセンターの画面や各種画面表示、標準搭載アプリは、ほぼパソコン版のWindows 10そのものと言ってもいいほどよく似ています。このためパソコン版のWindows 10を既に習熟している人は、ほとんど抵抗なく使用を開始できます。

流行のスマホゲームがWindowsスマホにリリースされることは今のところは非常に期待薄な状況ですので、今一番盛り上がっているスマホゲームをやりたい、といった方には残念ながらお勧めは出来ない機種ではあります。

ですが、スマートフォンでゲームは特に遊ばず、Webでの調べ物、メール、Skype、ツイッターなどがあれば用が足りる、と言うレベルでスマートフォンとつきあっている人には既に十分な機能があります。

またOffice Mobileを搭載していますので、Bluetoothキーボードがあれば簡単なビジネス文書程度は出先で作成できます。本体のみでも、出張先でプレゼン資料の最終チェック程度は可能でしょう。

OneDriveを標準搭載したWindows 10パソコンとの相性も非常に良く、操作性の点でもWindows 10パソコンと併用する人に向いていると言えそうです。

その他の機能面では、いわゆる「グローバルモデル」のスマートフォンのため、おさいふ携帯の機能やワンセグチューナーなど、日本独自の機能は搭載されていません。この辺りは、Windows 10 Mobileの今後の課題の一つかもしれません。

ここまではWindows 10 Mobile全体にも通じるお話ですが、MADOSMAに関して言えば、かなり軽快な動作を実現して実用的な機能をほぼ網羅しつつ、この価格を実現できていることはとても魅力的に感じます。

特に携帯キャリアの販売する日本のスマートフォンは、ハイエンド機種偏重でミドルレンジやエントリークラスの、低価格で入手可能な機種がありませんでした。

第3のスマートフォン用OSとしてWindows 10 Mobileが花咲けるかどうかはまだ未知数な部分が多いですが、今の日本のちょっと特異なスマートフォンの市場の状況に一石を投じる存在になってもらいたい機種です。

⇒ MADOSMA 公式サイト

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